たまりば

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『材料が無い』ということ

気がつけば大震災から既に半年以上が経っている。9月11日が半年にあたるわけだが、その日はさすがに「あれから半年・・・」的なニュースもやっていた?気がするけど、それも既に過ぎた話。東京に住んでいる者にとっては、不謹慎だとは思いつつも過去の話になってきていると思う。

ネットや新聞で見かけるニュースも、最近は台風上陸や集中豪雨の話ばかり。勿論、そういった話題は人命に関わる情報なので大事だと思うが、震災ニュースはもう風化し始めているんだろうか?一方で、今日...というか、これを書いている今現在の"円高危機"については経済紙でしか話題にならないのはどういうことなんだろうね。ドル、ユーロ、ポンド、フラン等が軒並み危機的水準だというのにさ。ヨーロッパはどうなってしまうんだ?

そんな本日、何軒かの中小企業顧客を訪問した。そこで出た話がまさにそのような話題だった。主に建築関係の顧客に聞いた話だが、大震災から半年経っても事業継続は依然厳しいままだという。リーマンショック以降の不景気の最中、ようやく落ち着きを取り戻しつつあった中での災害だったから、一気に仕事が減ったんだとか。

そして多くの建築業に大打撃を与えた理由の一つが『材料が無い』ということだったらしい。大震災では多くの工場が操業停止に追い込まれた。そして、操業再開後にやってきたのは"節電"という二次的災害だった。その中でも東北地方にはそのような建築資材の工場が多いという。家を一軒造るには多くの業者が絡み、そして多くの資材を使う。内装屋さんが張り切っていても材料のクロスが無ければ仕事にならないし、材料があっても下地の内壁が出来上らないと仕事も出来ない。その内壁を造るには先に断熱材が必要になるので、断熱材が滞れば仕事も止まる。窓枠などのサッシや鈑金屋さんも同じように、いくら張り切っていても金属加工や鉄鋼所が操業停止していては資材が来ない。腕があっても、資材が無ければ何も出来なくなってしまう。建築のどこかで何かが滞ってしまうと、連鎖的にその後の末端業者まで操業停止になるのが建築業の特徴なんだ。『材料が無い』というのはそういうことだ。

近年、多くの中小企業は限りなく自転車操業に近い経営が続いている。自らの操業に必要となる、一つ前、二つ前の業者が操業停止した瞬間から自己の手元資金が減り始める懐事情。オレらが扱う保険を使って、そういった顧客のニーズに応えられる商品は無いかな~と調べてみたが、今のところそういった商品は存在しない。近いもので、「取引先が債務不履行を起こした」とか「取引先が倒産した」とかの理由で債権回収が困難になった時に支払われる『取引信用保険』というものはあるけどね。しかしそれは"工期の遅れ"を補償するようなものではないんだ。

ふと考えると、その点で保険営業という業種は救われている。必要なのは契約書という"紙"のみだ。さらに近年ではその契約書すら"電子化"されつつある。言わば、仕入れ・在庫・納品・売買掛けが無いのが保険営業の特徴だ。そういう面では珍しい業種なのかもしれないな。そんな損保営業マンとしては、少しでも顧客のリスクを補完してあげたいものだが...何か良い方法は無いんだろうか?いや、きっとこの震災を境にこれから多くの新しいニッチな保険が出てくるはず。早く提供すれば良いのにな。



  • 2011年09月22日 Posted byゴンすけ at 22:09 │Comments(0)

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